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目黒区生涯学習実施推進計画改定の方向(中間のまとめ)に対する意見

   目黒生涯学習実施推進計画改定の方向(中間のまとめ)に対する意見
                               2008年1月4日
                              日本共産党目黒区議団
はじめに、
「ユネスコ学習権宣言」は、学習権は、「たんなる経済発展の手段ではなく、基本的権利のひとつとしてとらえなければならず、学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置付けられ、人々をなりゆきまかせの客体から自らの歴史を主体的に変えていくものである」としています。
こうした人類普遍の教育権も戦前は大きくゆがめられてきました。
戦前の教育は、絶対主義的天皇制の下、教育勅語による国家と侵略戦争のための人づくりが行われました。天皇のために死ぬことは当然という教育によって何百万人の尊いいのちが戦争の犠牲となったのです。こうした戦前の教育の深い反省のうえに、憲法23条では学問の自由はこれを保障するとし、「改正」前の教育基本法では第10条に教育は「(国家による)不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものであることを明確にしました。
 この立場から以下意見を述べます。
1、生涯学習実施推進計画の改定の大本となった「改正」教育基本法について
 今回の改定の最大の狙いは「改正」教育基本法を推進計画に反映させることにあるとし ています。しかし、改正された教育基本法は「伝統と文化を尊重し・・わが国と郷土を 愛する」ことを「目標」として「愛国心」を国民全体に押し付け、憲法が保障した思  想・良心・内心の自由を侵害するものとなっています。さらに教育基本法10条の「不 当な支配に服することなく」をばっさり削り、教育への国家権力の介入を無制限に許す ものとなっています。これは、教育の自主性、自立性、自由を奪うものとなっていま  す。
  さらに、子どもの教育の第一義的責任を家庭とし、今日の子どもを取り巻くさまざま な問題の原因を家庭教育に押し付け、本来私的に行われるべき家庭教育の内容にまで干 渉することは重大な問題です。こうしたさまざまな問題をはらんだ「改定」教育基本法 の内容を法律が変わったからといって、無批判的に生涯学習実施推進計画改定の柱に据 えることは、人々の普遍の権利としての学習権をゆがめるものとなります。生涯学習実 施推進計画改定に当たって「改定」教育基本法の大網をかけるべきではありません。
2、青少年をめぐる問題について
   青少年をめぐる諸課題を解決するために、幼少時からの学習の重要性を掲げ、これ までの学習や教育だけが青少年の問題行動の原因のように書かれていますが、ニートや キャリア教育の問題いついては、雇用の規制緩和と低賃金政策など第一義的に国の雇用 政策に重大な責任があることは言うまでもありません。一度社会人となったものが再び 学ぶ機会を必要とするとき、その教育を保障するための生活保障を公的責任で行えるよ う国や都に働きかけるべきです。
 今日の教育における過度な競争が子どもの発達をゆがめていることは、国連子どもの権 利委員会からの勧告でも明らかです。幼少時からの学習の重要性を言うのであれば、小 学校低学年からの習熟度別学習などの差別選別、一斉学力テストなどによる競争教育な ど学力偏重の教育こそ是正されなければなりません。競争教育をやめ、すべての子ども が個にあったゆとりある教育を受けるための少人数学級の実現は教育先進国フィンラン ドの例からもあきらかです。
 また、青少年が学び自由に交流できる場として、杉並区など先進自治体に学び青少年セ ンターのあり方や施設整備を抜本的に充実すること。
3、家庭教育支援について
   1で「改定」教育基本法の10条の1に対する問題はすでに指摘したところです  が、子育ても含めた親の学習要求を保障することは、重要な課題です。家庭教育学習を 支援するために必要な施策として、�〇劼匹發慮⇒�条約を生きたものとして学ぶ機会を あらゆる場所でつくること。��学習や交流の場となる家庭教育学習のセンター機能を充 実し、保育体制(保育室を含む)を整備すること�ぞ祿音�を持つ母親などに対する公的 一時保育の実現など環境整備を計画に盛り込むこと。
4、学校の教育力の向上について
   ゆたかな子どもを育むためには教師の力に頼ることは言うまでもありません。しか し、現在教師の置かれている状況は、精神的病による病欠が急増していることからも明 らかなように、教師同士が支えあい、その力を十分発揮する環境が大きく損なわれてい ます。その最大の原因は教育現場に混乱と困難をもたらした「教育改革」や教師の自由 な教育を制限し主任・主幹制度をつくるなどして管理・統制してきたことにあります。 こうした状況を変えることなしに、「教師力」などという言い方で現在の教育現場の問 題を教師の責任にすべきではありません。中教審の答申を鵜呑みにするのではなく、教 育現場の実態と教師の意見に十分耳を傾けるべきです。また、民間丸投げで、教師から も実施目的に疑問が上がっている目黒区学力テストは中止すべきです。
5、学校・家庭・地域の連帯と「学習コミュニテイ」について
 地域コミュニテイの活性化に寄与する「学習コミュニテイ」の実現こそが、今回の実施 推進計画改定の大きな視点であるとしていますが、教育は「人格の完成をめざし」た  「自己の内面的価値に関する文化的営み」です。学校教育、社会教育、地域で行われる さまざまな学習活動を狭い意味での成果に結びつけたり、ましてや行政課題としてのコ ミュニテイ社会の形成に利用することは、教育の目的そのものをゆがめるものです。
6、今行政に求められていることは
 区民の学ぶ環境を整備することが自治体の役割です。この間区は「受益者負担」の名の 下に社会教育館の有料化や庁舎移転にともなう公会堂や福祉センター集会室・会議室の 廃止など、学習権を阻害する要因をつくってきました。今行政に求められてい
 るのは施設使用料を無料化し、個人や団体の学習要求に応えるとともに、求めに応じた 支援を強化することです。
 体育施設への指定管理者導入をやめ、図書館や社会教育館についても指定管理者制度は 導入せず、安易な委託はやめること。
                                     以上

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